鼻がつまる、くしゃみ、鼻水が出る、においがわからない、鼻や頬が痛むなどの症状が現れましたら、ご受診ください。代表的な鼻の病気についてご説明いたします。
- 症状
-
- くしゃみ
- 鼻みず
- 鼻づまり
- 鼻がかゆい
- においがわからない
- 鼻や頬が痛む
- 鼻血
- いびき
- 病気
- 鼻副鼻腔炎、鼻血、鼻中隔彎曲症、嗅覚障害
鼻副鼻腔炎
鼻の周りには副鼻腔(ふくびくう)とよばれる空洞が頬やおでこ、眉間に存在します。ここに炎症が起きる病気を副鼻腔炎といいます。風邪の症状が現れて1週間ほどしてから、風邪に続いて細菌感染が副鼻腔に起こり、発症することが多いです。
- 症状
- 鼻汁、鼻つまり、鼻がのどに回る(後鼻漏)などがあり、増悪すると膿の鼻汁、悪臭、頭痛、痰がらみ、咳などが出現します。目の症状(視力低下、モノが二重に見える)や腫れが出た時には緊急を要することがありますので、急いで受診してください。 慢性化すると鼻にポリープができたり、においが分らなくなることもあります。 保育園児などの集団保育下の子供では耐性菌が原因となり、鼻副鼻腔炎が反復・遷延化することも多いです。また子育て世代の母親も耐性菌による感染を来すことがあります。
- 原因
- 風邪による鼻のむくみのほか、鼻中隔湾曲症(鼻のまがり)、虫歯、アレルギー性鼻炎なども原因となります。
- 検査
- 鼻鏡検査、レントゲン、内視鏡検査、細菌検査などを行います。
- 治療
- 鼻内の清掃と膿の排出を促す処置を行い、抗菌薬の入ったネブライザー(吸入)などを行います。中等症以上では細菌培養検査を参考にしながら抗菌薬治療を行います。
成人の慢性副鼻腔炎の患者様は手術適応となることがありますので、必要に応じて病院へ紹介状を作成します。
前述の通り、集団保育児は鼻副鼻腔炎を反復、遷延することがあります。お仕事をしているご両親が多いため通院が大変になることがありますが、可能な限り負担を少なくできるよう心がけますので一緒に頑張りましょう。
鼻血
小児や高血圧の患者様に多いです。
- 検査
- 鼻の中をよく観察し、必要に応じて内視鏡を用いて出血部位を確認します。
- 止血方法
- 鼻出血の大半は、キーゼルバッハ部という場所からのものです。キーゼルバッハ部は、鼻に指を入れたときに、指先が真ん中のしきい(鼻中隔:びちゅうかく)に触れる部分です。ここは薄い粘膜でできているうえ、たくさんの毛細血管が網の目のように走っているので、ちょっと傷がつくと出血します。この出血を止めるには、親指と人差し指で小鼻をつまんで15分程度圧迫するのが簡単かつ効果的です。
鼻血が命にかかわるようなことは滅多にありませんが、上記の方法で出血がなかなか止まらなかったり、大量だったりした場合、また鼻血を頻繁に繰り返すようなら、耳鼻咽喉科を受診してください。必要に応じて止血処置を行います。
※成人の鼻血で、たいへん多い原因が高血圧です。高血圧は、脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる病気の危険因子でもありますので、血圧のコントロールが大切です。
鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
鼻の真ん中のしきい(鼻中隔)が、極端に曲がっている状態のことです。
- 症状
- 鼻がつまる、いびき、においがわからないなどの症状が出ます。頭痛、肩こり、注意力の減退、鼻血などの症状が出ることもしばしばです。慢性副鼻腔炎の原因にもなります。
- 検査
- 「前鼻鏡」という器具で鼻孔を広げ、医師が肉眼で鼻の中を観察します。
- 鼻中隔が彎曲しているかどうかは、この検査をすればすぐにわかります。内視鏡検査やレントゲン検査を行うこともあります。
- 治療
- まずは投薬治療を行います。効果が薄い場合は手術で治すことができるため、信頼できる病院へ紹介状を作成します。
*血管収縮剤の点鼻薬は鼻閉の改善に効果があり、非常に便利な薬ですが大きな問題点があります。長期間連用していると効果が弱くなり、そのうち鼻の粘膜がはれ上がり、非常に難治な薬剤性鼻炎となります。市販されている点鼻薬ですが、耳鼻科医の指導の下、短期間使用するにとどめたほうが良い薬です。